【どうして?】車椅子の方が外出が億劫になる4つの理由
ある老人ホームに入居されているご高齢の女性のお話です。入居当時は少し足腰が弱っている程度でしたが、車椅子に乗ることになってしまいました。でも女性はとても元気な方で、近所にお買い物に行ったり、お散歩に行ったりするのが大好きでした。でも施設のスタッフは頑張ってはいるものの1対1で対応できるわけではありません。車椅子になってからというもの、自分で部屋のドアを開け閉めするのはとても大変です。よくあるマンションの玄関扉のようにしっかりした扉で、押していくのも引くのもなかなかに重いので、ましてや車椅子に乗ったままでは、大変で出かけたいと思ったときにスタッフを呼んで、開けてもらうという状況でした。しかし、だんだん出かけるのが億劫になってしまったんです。私が相談されてお伺いしたときに、お聞きした話は、「自分のタイミングで出かけたいのにそのたびにスタッフに声をかけるのは気が重いし、ドアを出るだけなのに出かけたいタイミングで出ていくことができないから、だんだん出かけるのが億劫になってね~」とおっしゃっていました。でもドアを自動ドアにしたことで、「アーこれで誰にも気兼ねなく出入りができる」と明るい顔で喜んでいただきました。このように、自分でできないことが多いとそれは、生活の障害にもなりますがそれだけでなく、心の障害につながるのです。私たちはそういった方たちのお手伝いをできればと日々、玄関ドアが自動ドアにできるということを広めていく努力をしています。
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体力的に厳しい
玄関ドアの幅は、現在はだいたい88cmくらいです。そして厚みが4cmほど、ドアの重さは60kgくらいです。この扉は、消防法や建築基準法で、常に閉じることが決められているために、ドアクローザーというものがついていて、開いて手を離すと勝手に閉まってきますよね。これはドアクローザーに入っている強力なバネの力なんです。押したときの重さは、軽いもので2-3kg,重いもので5kgほどあるものもあります。そして玄関ドアですから外からの風などの圧力もかかりその重さは様々です。高層マンション上層階の玄関ドアは、ともすると男の人が力を込めないと開かないなんてこともあります。
これは、健常者の話です。足で地面に踏ん張ることができる人の話なんです。車椅子に乗った状態で、上半身と腕だけで思いドアを押すことの大変さ、押しながら出ていくときドアはバネの力で戻ってきてしまうんです。逆に入る時、ドアを真正面から引っ張れば開くでしょうけど、車椅子に乗っている方はどうしますか?ドアをよけながら体の芯を外して横に開きながらドアを通ることってできるでしょうか?男の私でも、大変な作業だと思います。体力的に元気な若い男性の車椅子利用者なら問題なくこなせるかもしれません。普段から車椅子を動かすために、腕を鍛えていれば。でもみんながそうではないんです。お子さんかもしれない、高齢の方かもしれない。腕の力が入らない方かもしれません。どんな障害でいらっしゃるかわからないのです。タイトルにあるように、体力的に厳しいというのは、車椅子に乗っている方、ほぼすべての方に適用される言葉だと私たちは考えています。
申し訳ない気持ちになる
多くの場合、家族がケアをしているのだと思います。家族の愛って素晴らしいですよね。でも、覚えがありませんか?子供が生まれ、喜びいっぱいで育て始めるでも、毎日毎日夜泣きが続くとつい「うるさいなー」って気持ちになってしまったり、これって赤ちゃんに限った話じゃないですよね。大事な親御さんに対してでも、同じで人間ですから疲れてくると面倒になったりするものです。それは、車椅子に乗っている人たちも同じなんです。その気持ちがわかるから、何度も何度も、毎日毎日お願いをするのが申し訳なくなってしまうんです。誰も悪くない、仕方ないんです。でもそれを改善したり、そんな気持ちになったりすることがない様にする方法があったら、どうですか?玄関ドアを自動ドアにするだけで、その毎日のお願い事が一つなくなるんです。お願いすることなく自分の意思で出入りできる、健常者にとって当たり前のことかもしれませんが、その当たり前が、車椅子の方の明るく健康な生活に結び付くと信じています。
ストレスのない場所が少ない
車椅子に乗っている人にとって、どんなことがストレスになるんだろうと考えてみました。私たち健常者は毎日、当たり前に電車に乗って出かけています。車の人もいるでしょう。まず電車を考えてみましょう。人ってお相撲さんじゃない限り、せいぜい40cm四方くらいのスペースに立っていられますよね。私なんかは少々太っていますので、おなかへっこめて立てば、少しはなんて考えますが、車椅子は、平均的な大きさでも、幅60~70cm四方はあります。そうです。場所をとるんです。だから、周りからの視線が気になると思うんです。私なら「じゃまだな」って思ってそうな目で見られたら、たまりません。ほかにも同様なことは多々あるでしょう。電車の車内、ホーム、改札、狭い歩道などです。それはストレスたまりますよね。車で移動される場合も広い駐車場ばかりではありません。隣の車まで近くて、ドアが全開にできなければ、乗り降りに支障があります。個人的な話ですが私は高いところが好きなんです。高いところに上って景色を眺めると気分がいいものです。でも車椅子の人は、私たちのように、自由にいけないところがたくさんあると思うんです。登山が趣味の人が、突然事故で車椅子になったりしたら、すごいストレスですよね。とにかく、ストレスを感じる場面が健常者よりも多いということです。さりげないサポートをできるような人間でありたいと常々思っております。その中の一つとして、自動ドアを広めるために努力しています。
体だけでなく心のサポートを
今回の記事で、車椅子に限らず、障害をお持ちの方々の日々の生活で受けるストレスについて考えてきました。歩けない人は、車椅子、少し歩ける人は杖など、体をサポートする器具もたくさんあります。手すりや、スロープなども同様に体をサポートする器具です。私たちが提供する自動ドアも車椅子の方や、杖をついている方々の体のサポートをする機器です。でも、そのことが指し示すものっていったい何でしょう?便利にするということ、簡単にするということだけでなく。自分でできるということへの喜びを感じてもらうことが一番の目的のような気がしています。大事なのは、その方が何をしたいか、どうしたら、自分でできるのかということではないでしょうか。便利にすればいいのではないのです。
もしかしたら、自動ドアにしなくても、自分でできるをサポートすることができるかもしれません。そんな提案もしていきたいと思っています。一番は、笑顔になるサービスを目指しています。
これは、余談ではありますが私の会社の近くに駅前になかなか急な坂があります。たまに、車椅子で上っている方を見かけます。そんな時は、さりげなく押しますよ~といって坂の上まで押してあげることがあるのですが、上についたときにありがとうって言われるのですが、本当にさりげなくいいえ~って言って離れるようにしています。そこで親しげにこちらから話しかけると、相手は何度もお礼を言わされる気分になるのではないかなって考えてしまうんです。これには賛否あるとは思いますが、要するにさりげなくなんです。押し付けでなく自分の気持ちでさりげなくサポートするそんな人ありたいと思っています。
執筆者:酒井 将之
代表の酒井です。 10年前にスイングドアオペレーターを知り、この自動ドアに感動しました。この自動ドアをたくさんの人に知らせたいと思い、独立しました。開き扉用の自動ドアの有効性や安全性を含むいろいろな性能について熟知していますので、弊社にご相談いただければ、お客様のご要望に合った使い方でより、コストパフォーマンスの優れたご提案ができると自負しております。ぜひ一度ご相談下さい。