正しいバリアフリーの基準|建築物移動等円滑化誘導基準について
バリアフリーの正しい基準についてご存知でしょうか?
言葉自体は広く浸透しはじめ、さまざまな施設がバリアフリー化を進めています。
しかし、バリアフリーの基準について深く知る方は少ないです。
そこで今回は、国土交通省「ハートのあるビルをつくろう」を参考に、バリアフリーの正式な基準について解説します。
目次
建築移動等円滑化基準・建築物移動等円滑化誘導基準について
バリアフリーについて知る前に「建築移動等円滑化基準」「建築物移動等円滑化誘導基準」の2つを知っておきましょう。
建築物移動等円滑化基準で定める最低限のレベルは、以下の通りです。
- 車椅子使用者と人がすれ違える廊下幅
- 車椅子使用者のトイレが最低1つある
- 目の不自由な方でも利用しやすいエレベーターがある
建築物移動等円滑化誘導基準は、さらに利便性を高めた、望ましいレベルを指します。
- 車椅子使用者同士がすれ違える廊下幅
- 車椅子使用者のトイレが必要な階にある
- 共用の浴室等も車椅子使用者が利用できる
建築物移動等円滑化誘導基準を満たすと、シンボルマーク認定され、容積率の特例や税制上の特例措置を受けられます。
建築物のバリアフリー化できる場所
一つの建物のなかに、バリアフリー化できる場所はいくつもあります。
商業ビルを想定した場合、バリアフリー化できる場所は9つです。
- 出入口
- 視覚障害者誘導用ブロック等
- 駐車場
- アプローチ
- 階段
- エレベーター
- 廊下
- トイレ
- 浴室等
廊下やドア、出入口のバリアフリーは知られていますが、こんなにもバリアフリー化できる場所はあるのです。
バリアフリーの基準
「建築物移動等円滑化誘導基準」が定める建物の基準を紹介します。
それぞれの幅や必要な案内など、参考にしてください。
「建築移動等円滑化基準」と異なる部分があるため、今回は「建築物移動等円滑化誘導基準」の基準のみを紹介します。
- 出入口の幅……玄関出入口120cm以上・居室出入口幅90cm以上
- 廊下幅……180cm以上
- 傾斜路……両側手すり・スロープ幅150cm以上・スロープ勾配1/12以下
- エレベーター……出入口90cm以上・かごの奥行135cm以上・かごの幅160cm以上・乗降ロビー180cm角以上
- トイレ……車椅子使用者用トイレを各階ごとに2%以上・オストメイト対応トイレを各階ごとに1つ以上・低リップ小便器を各階ごとに1つ以上
- ホテル・旅館の客室……車椅子使用者用客室を2%以上
- アプローチ……通路幅180cm以上
- 駐車場……車椅子使用者用駐車施設2%以上・車椅子使用者駐車施設の幅350cm以上
- 浴室等……1つ以上の浴室を十分な広さにし、車椅子使用者が使える仕様
- 案内表示……見やすくわかりやすい案内板を設置
- 室内設備に至る経路……視覚障害者誘導用ブロックまたは音声による誘導装置の設置
バリアフリーの知識を高めてより暮らしやすい建物に
障がい者や高齢者にとってより便利な暮らしを考えるなら、正しい基準を知っておきましょう。
なんとなくバリアフリーを意識するだけでは、障がい者や高齢者にとって、本当に利便性の高い建物にならないかもしれません。
たとえば、知識のないままスロープを設置しても、車椅子使用者にとって上りにくいスロープになっている可能性があります。
ぜひ正しい基準を参考にして、本当に暮らしやすい建物を作っていきましょう。
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こちらの記事も参考にしてください。
執筆者:酒井 将之
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